べーごまの力


べーごまを回す”ベードコ”は、いつも何気なく置く。

看板をするでもなく、

誘うでもなく、ただ、ぽんと。

 

お昼ご飯時が少しすぎた穏やかな頃に、いつも誰からともなく始まるのがべーごま。

始まるタイミングが、自然なのだ。

 

まず、紐を巻くのが難しい。

悪戦苦闘。

ぱっとできない。

これもべーごまの魅力のひとつ。

紐が巻けるようになったって、

回せるようになるにはまた時間がかかる。

何度もなんども失敗して、何度もなんども挑戦するのだ。

 

大人もこどももみんな同じように本気。

昔から遊んでいた「じじ」に敵うものはいない。

それがまたいい。

「いつか”じじ”を負かしてやるんだから!」って、メラメラする。

 

すぐできるようになること。

それも素晴らしい。

大人が手を貸したり、子ども向けに作られていたり。

それもいい。

だけど、自分の力で、自分のペースで、掴み取っていくことって、

もっともっとおもしろい!!

負けるのも、できないのも自分。

できるようになりたいのも、負けん気が強いのも自分。

 

いろんな自分の発見があって、

いろんな今の自分の力を知って、

いろんな面白さを感じて、

力を身につけていく。

そんなこと、たくさんのことをベーゴマは教えてくれる。

 

ベードコの周りには、いつも、どんどんと人が集まって、

わいわいキャアキャア。

 

「できない素晴らしさ」

「自分でできるようになる面白さ」

それを、たっぷり感じられるって、すてきなことだなぁ。

 

(がーりのつぶやき)